節税目的納税 |
相続税云々の議論が世間で話題となっています。
昔、こんな話を聞いたことがあります。
ある会社がたいそう儲かっていた。しかし、社長は高齢。相続税が心配だった。
だったら自分の代でお金を設備に代えてしまおう、と社長は考えた。それで、当時としては最高級の設備を導入した。
やがてその会社は息子の代に引き継がれた。業界は右肩下がりだったが、先代の買った高級設備が他社との差別化となって、儲けは少ないものの、会社はなんとか維持された。
やがて、息子も孫の代に引き継ぐ時が来た。その頃には、高級設備もさすがに老朽化していた。
すでに高級設備を持っていたから、それ以上の設備に買い換えようとした。だが、その設備はあまりにも高かった。そこまでの資金は無かった。
銀行からお金を借りて、借金と新しい設備が三代目に相続された。
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相続税ばかりではなく、企業はなんやかやと節税に余念がありません。特に儲かっている場合は・・・。
例えば、節税のために4ドアの高級外車を社用車として購入したりします。が、そうすることで税務署に目を引くようなことがあります。
社員の福利厚生のために大枚をはたいて節税に走っても、社員の給料が安かったり、有給休暇が取れなかったりするならば、意味がありません。
だったら、ド〜ンと税金を払ってみてはいかがでしょうか。
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しかし、そうするにはどうも抵抗がありますね。
最近は「ふるさと納税」が流行って、地元自治体は税収に悩んでいるようです。
普通なら、地元に投資する方が、企業や社員にとってメリットがあるはずなんですが、なぜ、地方に納税するのか。
もちろん、お土産期待とは思いますが、そればかりではなく、「地元に払っている税金が何に使われているのか、わからない」ことにも原因があるのではないでしょうか。
消費税も導入の際には「福祉目的税」といううたい文句だったのですが、実のところ、どこへ廻っているかわからないし・・・。
そこで提案。節税のための税制度を作ろう。
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児童施設にランドセルを寄付する人もいますし、クラウドファンディングにたくさんのお金が集まったりします。目的がはっきりしていれば、お金を出す人はいるのです。
だったら、法人向けの目的税があってもいいと思います。
例えば、文化財を保存する資金とか、川辺の桜並木を植え替える資金とか、電線を地中化する資金とか、そういった、「本来、公共団体が負担すべき経費なんだけど、ちょっと贅沢。しかし、その地域のグレードを上げるために必要」といった項目を挙げ、そのための納税を促すのです。
さらに大切なのは、その納税のメリットを企業に与えること。つまりは、税金の減額です。
すでに認定NPOなどへの寄付について優遇措置はありますが、その地域版を作ることになります。
また、納税企業の名前を公表すること。要するに儲かっている会社ですよ、と行政が周知してあげることで、企業の信用を高めるのです。
神社の囲いに地元の名士や会社の名前が刻まれているのと同じです。
そうなれば、企業にとってもメリットがありますし、株主だって認めてくれると思います。
儲かっているのに、どんどん内部留保を増やしている会社のみなさん。 いかがでしょうか。
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